老婆100's <青春>

物語いろいろ、人生道草

老い無き世界の衝撃

今朝、テレビで ”ライフスパン(LIFESPAN)”について議論されていた。著者とのインタビューも紹介され、その内容に釘付けとなった。要は、老化を病気と捉えて、治療を施す治療薬や、医学療法に手が届きつつあるという。老いたマウスの目の治療により立証されたことを公表していた。老化を治療することで、老化が引き起こす癌や心臓病、脳卒中などを予防できるという話だ。今後さらに医学の研究開発を進めることにより、健康寿命が延びることで100歳になっても活動出来るという夢のような時代を予言している。

老婆は、老いによる身体の衰えと付き合いながら働いている。これから先の健康不安も大きい。認知症や寝たきりになって介護を受けることになれば周囲に大きな負担をかける。医療費も膨大になり、支える若手にも負担をかける。

老化の治療が実現出来きて長寿となったら世の中の仕組みが大きく変わることになりそうだ。

近年囁かれる人生100年としたときに、99歳10ケ月迄は元気に暮らし、残り2ケ月で穏やかに逝く事が出来たら嬉しいと都合良く空想した。

ただ、老婆には時間が無いので間に合わないかもしれない。子供や孫達の時代には、そうなって欲しいと願った。

シンプルなジャガイモのカレーが食べたくなった。老体の栄養も考えて、残り物の野菜を入れた。昔、このカレーライスは子供たちには不評だった事を思いながら懐かしく食べた。

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早朝の混雑

在宅勤務を実施しているが、業務を回すのに週2日はどうしても出勤が必要となる。

今日は多忙なスケジュールのため、早めの時差出勤で6時早々の電車で行こうと考えた。ところがホームは乗り込む人達で埋まり、到着した電車の残り少ない空席を奪い合う状態だった。

通勤する人達は、コロナ禍の時差出勤を、早いか、遅いかで選択しているのだろう。考え方は同じだと思われた。老婆なので混雑も予測して、布マスクの上に不織布マスクを重ねマフラーで顔を埋めて電車に揺られた。

普段は会食を伴う来客に、こんな時期なのでテイクアウト食で勘弁してもらった。

通りでカラスが、誰が与えたのか容器入の食べ物を密にならずに啄んでいた。

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新しい年に期待

多忙な年越しを終えてやっと一息ついた。実家に家族が集まる新年は、老婆にとっては一大イベントなのだ。取り寄せる料理や飲み物が足りなくなるのが心配でつい余分に注文してしまう。食べきれずに賞味期限を逸して勿体ないことになる。毎年のように家族から「多すぎるよ」と、注意されて納得はするが同じ事を繰り返してしまう。

なんといってもお正月は嬉しい。皆の近況に一喜一憂したり、年頃の孫たちの初々しい仕草や会話を、眺めているだけで癒され笑顔になる。

新年を迎えてはや十日が経過しようとしている。緊急事態宣言に纏わるニュース一色であり、さらに日本海側の大雪による影響で困難が多発、暗いスタートとなっている。

今年は丑年。丑は十二支の2番目で、子年に蒔いた種が芽を出して成長する時期とされ、先を急がず目前のことを着実に進めることが将来の成功に繋がるということだそうなので、希望が持てる年なのだと、なんとか気持ちを慰めた。

冬晴れの空に、昇る朝日、今年初めて感慨深げに眺めた気がして深呼吸した。

 

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満月に近い赤い月

今朝、5時20分ごろの寒くて真っ暗な西の山際に、明るい月を目撃した。

とっさに太陽では? と勘違いする位大きくて赤い。初めて見る現象に感動した。霜が降りていて寒い中を足を止めてつ見入っていると愛犬が小刻みに震えていた。

明日30日の夕方から31日の明け方に、コールドムーンと呼ばれる今年最後の満月とのこと。一日前ではあるが、今夜の空を見上げると雲の流れの隙間からほぼ丸い月が見える。コロナに翻弄された今年の終わりに、満月を愛でることで細やかな安らぎを覚えた。

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平日のレストラン

昨日は長引くコロナ自粛に気が滅入って、外食を楽しみたいと無性に思った。

ウイークデーの夕方の時間なら空いているかもしれないと思いレストランの様子を伺った。
案の定お客様は疎らなので、早めの夕食をとることにした。窓際の席を希望したら気持ちよく案内してもらえた。ひとりで会話も無い食事なので、せめて贅沢な気分で赤ワインと、タンパク質補充でお肉料理を奮発した。

窓からは、東から西へと日が暮れていく空模様と、明かりが灯り始めた街並みを一望できる。静かな空間で食事を嗜み気持ちが和んだ。

土日とは打って変わって、平日のレストランは閑散としていた。コロナの影響なのだろうか、気の毒な気がした。
クリスマスイブ、ほろ酔い気分で自粛中の孫たちへのプレゼントを届けた。

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冬至明け

最も長い冬至の夜が明けた。

これから段々と日脚が伸びて暖かくなって行くのだと思うと気持ちが弾む。この時期は、新年、桃の節句、お彼岸、そして桜の季節を待ち望む事がなぜか楽しい。老婆のくせに、またまだ生き延びて、巡る季節に触れたいと欲張っている。

このところエアコンの効きが悪い。暫くフィルター掃除を行っていないせいだろうか。短い日照の中、今日こそ掃除をしようと決心をした。開けてみてびっくり、埃がフィルターにびっしりこびり付いていた。業者に洗浄してもらったので呑気に構えて一年間怠ったせいだ。空気が埃まみれの部屋で過ごしていだと思うと怠慢を反省した。本体含めてやたら丁寧に磨いた。しっかり部屋の換気を済ませて、磨きたてのエアコンの電源を入れた。

効きが良くなったような気がして満足した。

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- 芒 -29.ねえやの恥じらい

キヨは、仕事や来客の対応に大分慣れて手際が良くなっていた。時には深夜になることもあるが鈴で呼ばれたらすぐ動けるよう台所で待機していた。

税関長宅では、演奏会やダンスパーティーなどがよく催されて多くの人が集まった。親しい方々や部下のようだ。こんな日は、キヨにとっても楽しいひと時でもあった。ホールから流れてくる音楽にウキウキした。ハミングしながらの洗い物など片付け作業が心地よかった。奥様は、そんなキヨの様子を何度か目撃した。ある日「ねえやは音楽が好きでなのですね。練習してごらんなさい」と言ってご主人が使っていないという古いギターを差し出した。キヨは、触ったこともないギターに戸惑ったが、”爪弾きたい!”という意欲に駆られた。「奥様、申し訳ございません。弾き方がわかりません。」というと、ひとりの青年を呼んで「ねえやに分かりやすく教えてあげて下さい。」と指示をして立ち去った。

男性はギターを手に取り太い弦から細い弦の音を覚えるようにと、丁寧に一弦毎に弾いて聞かせてくれた。キヨは、男性と会話する機会はほとんど無かったので胸が高鳴り、震えた。恥ずかしくて返事もぎこちなかった。男性が手書きしてくれた弦の図の上に置く指のメモを見ながら練習を重ねた。そんなことをきっかけに、演奏会があるたびに数人の男性が、キヨのいる台所に立ち寄っては弾き方を教えながら談笑した。「覚えが早い!」と褒められ嬉しかった。

続く・・・

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