老婆100's <青春>

物語いろいろ、人生道草

- 芒 - 1.戦後の貧困

まり子は物心ついた頃からお腹がすいていた。いつも手を引っ張られて歩き続けていた。

気怠く、光が眩しく目が開けられなかった。

戦後の貧困で喘いでいた日本人の暮らしぶりを映像から推察するに、きっと親が食べ物を求めてさまよっていたと思える。栄養失調の子供に何か食べさせなければと奔走したのだ。

そんな飢餓状態を幾度か経験した。

まり子はいつも母親と二人きりだった。当時の女性に仕事口は無く、まして母親は無学のため収入源は無いに等しいと想像できる。ある時は公園のベンチで寝て、ある時は人の家の軒下で雨を凌ぎ、八百屋のごみ捨て場から野菜の切れ端を見つけていた光景がうっすら過る。

まり子にはその環境が何故だか分からない。ただ母親の苦しみや嘆きを感じ取って空腹に耐えていたのだと思う。

多くの人々がそれぞれ工夫をこらして空腹を凌ぎ生き抜いた時代であり、命を落とさなかつた事を幸福と捉えた。  続く・・・・

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