老婆100's <青春>

物語いろいろ、人生道草

- 芒 -6.新しい町

暴力が絶えないおじさんから逃れる事となった。事情は分からないが母親の仕事を誰かが斡旋してくれたようだ。

まり子は、ヒビ切れてゆく花柄のランドセルに自分の物を詰込み、母親に手を引かれて汽車に乗った。窓から入る煙の煤で鼻を汚した。

行き着いたところは岸壁に近いバラックが密集した場所で、魚河岸で魚を入れる木の容器を作る現場だった。3畳の部屋に住込むことが出来る為、決断したのだと思われる。

仕事は出来高払いのため、母親は早朝から口に釘を咥えて手早い箱作りに邁進した。

この時、まり子は二年生途中で転校することになるが、暴力おじさんが居ない事に安心した。

遊びたい盛りのまり子は見知らぬ町の周囲を眺めまわした。道路で遊んでいる子供たちがいた。気にかかりじわじわ近くに進んで佇んでいた。女の子たちは私を見ながら朝鮮語と思われる言葉で喋りながら近寄って来た。

「引っ越してきたの?」と日本語で聞いてきた。笑顔だったのでほっとした。

3人の仲間に入れてもらえた。チョークで升目を作ってケンケンで進む遊びを教えてくれた。すぐに意気投合して笑いあった。怖じ怖じしていたまり子には天国のように思えた。

続く・・・

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