老婆100's <青春>

物語いろいろ、人生道草

- 芒 -8.給食

机2台を横につけ合わせて男子と女子が並ぶ。

まり子は一番後ろの空いてる席に身を屈めるように座った。隣の男子が気にかかった。からかわれる事を恐れ、声をかけないで、と願った。

授業が始まり、筆箱、新しいノートを机の上に用意した。前の学校で使ってた教科書は、内容が違うということで、先生が去年使用した本を貸してくれた。

久しぶりの授業と新しい内容に緊張した。おばあさんのような先生の優しい教え方に聞き耳を立てた。苦境の中、勉強が唯一の励みだった。

小休憩の時、学級委員の女子が近寄り、便所と水道のある場所に連れて行ってくれた。先生に言われたのだと思う。教えたらどこかへ行ってしまった。隣の男子はきまりが悪いのか他の男子とふざけ合っていた。話しかけようとはしなかった。

待ち遠しかった給食の時間となった。予め給食を受けられると聞いていたので喜びも一入で昨日のうちに新聞紙に包んだ木箸をランドセルに入れておいた。

配膳してもらう順番を待った。

コッペパン、イチゴジャム、脱脂粉乳、汁物をアルミの四角いお盆に乗せた。汁物を装う時、量の増減でざわついていた。まり子にとっては大変なご馳走だった。皆と同じ物が食べられた事がたまらなく嬉しかった。

ただ母親の事が気になった。

きっとお腹空かしているはずと思いパンを半分残して密かにランドセルに入れた。もっとも一時間の道のりを帰り着く迄に、少しずつかじって食べた為、半分のパンが更に半分に小さくなっていた。

このように給食を食べる事ができたのは束の間の事だったが・・・。

続く・・・

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