老婆100's <青春>

物語いろいろ、人生道草

- 芒 -11.先生の言葉

二年生も終わりを迎える頃、クラスの中ではまだ消極的なまり子だった。

昼休みは運動場で遊ぶようになっているがいつも一人でいた。すべり台、ブランコ、シーソー等の遊具があるところは大勢が集っていてとても入れなかった。縄跳びやドッチボール、追っかけっこなど、いつものグループで遊んでいるようだった。

授業では、積極的に手をあげて発言することは無かったが、内心は、先生の問い掛けに答えたかった。

ある日、国語の本を朗読してもらうので練習してくるようにと宿題が出た。朗読は先生の指示で進められた。先生は、読み方が詰まる子、漢字が読めない子などには、家庭学習不足を叱っていた。すらすら読める子は「良くできました」と褒めた。朗読させながら一人ひとり読み方の指導をした。まり子は自分の番が近づくに連れてドキドキしてきた。

まり子は、先生の声掛けで、自分が読むべき文章を、はっきりとした声で読み上げた。先生は、「よく練習しましたね」とまり子の頭に軽く手を置いてくれた。まり子ひとりだけに頭をさすってくれたことに感動した。胸が高まりしばらく興奮気味だった。いつも家では、箱作りをしている母親に聞こえるように国語の本を声を出して読んでいた。勉強していることを知ってもらいたいと思っていた。これが功を奏したのだ。先生によるこの出来事が、まり子の学習意欲を高め、負けず嫌いの性格も芽生えだしたようだ。手をあげて発表することが出来るようになり、同級生のまり子を見る目も少しずつ変わりはじめた。

続く・・・

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