不法に占拠しているこの部落に、立退きの話が進めせれているようだった。
行き場が無く住み着いている人々は、勿論、挙って断固反対しているようだ。
まり子が住む箱作りの場所も対象である。
特に仕事場として占拠している事が問題だという。早い段階での立退きは覚悟しなければならないとのこと。母子は住むところも仕事も失う重大事だ。
まり子は、先行きに重い苦労が待ち受けている気配を子供心で感じて不安になっていた。母親の頬もげっそりしているように見えた。
半年位経過した頃、親方から3ケ月の猶予で解雇と退去を告げられることになる。
続く・・・