色彩豊かな落葉で散りばめられた光景は動くアートになる。
群れを離れた一羽の鳩にも哀愁が漂い晩秋にしか観られない貴重さを感じる。素人ながら止まって画帳に描きたくなる。
思えば、老婆は学生の頃に描いた水彩画が、展覧会で賞を頂いた事があり「自分は絵が上手なのだ」と思い込んでいる節がある。ところが子や孫には到底信じてもらえない。
其れもその筈で、子供や孫達もまた、絵画に関しては頻繁に選抜、掲示されていて、上野の森の美術館にも展示されたことがある。
老婆は、それらの作品見たさに各々会場をめぐり、目を細めて鑑賞したものだ。到底適わないと無力さを悟るが、一方では老婆の血を受け継いでいるからではないかと優越的にもなる。