老婆100's <青春>

物語いろいろ、人生道草

- 芒 -17.穴掘り・事故

母親は、男達に混じって穴掘りに明け暮れた。特に女であるため後ろ指刺されまいと男以上の仕事を熟そうとした。掘って出てくる土は、穴の両脇にバランスよく積み上げられ山となり限界になると一輪車で運び出される。山は穴の中にいると背丈以上となり生き埋めの恐怖がわくという。

とうとう事故は起きてしまった。その山が崩れ、穴の中にいた母親に襲い掛かり全身が埋まってしまったのだ。母親はすぐに仲間に助け出されたが、土の重みで肋骨にヒビが入り応急手当を受けて家に戻って寝ていた。一緒に住んでいる男性が付き添っていた。

上半身晒しが巻かれていて激痛に耐えているように見えた。まり子は学校から帰って来た途端その様子を見て心配でたまらない、オドオドして泣きべそをかいていた。男性が「大丈夫じゃ」とまり子に声を掛けたので余計しゃくりあげた。

その日は、男性が仕事場から外米をもらったといって、お粥を焚いてくれた。母親とまり子に、お椀に一杯ずつ入れてくれた。まり子は痛そうにしている母親に食べさせようと匙で口元へ運んだ。2~3口食べただけで、残りをまり子に「食べろ」と言うが、母親もお腹すいているはずと思い我慢して残しておいた。

母親の体調回復は、長い月日が掛かる事になる。日銭が入ってこないため当然飲まず食わずとなる。まり子は給食のパンの半分以上を母親の為に残して持ち帰っていた。その給食費も払えない状態が続く。

続く・・・

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