老婆100's <青春>

物語いろいろ、人生道草

母の匂い

週末の休みには愛犬の補助食を作り置きする。野菜をみじん切りにして煮込み、ドックフードに混ぜあわせて食べさせる。老犬の目ヤニと皮膚の湿疹が気懸りになりビタミンを補充したいと考えて10日分を冷凍している。

今日は、乱切りにした野菜を みじん切りの器具で細かく砕く作業がきついため息子に頼のんだ。息子がポツリと(おばあちゃんの匂いがする)と言う。老婆の母のことだ。
振り返れば、仕事で朝は早く夜遅かったため、今は亡き母に 子供たちのことは任せっきりだった。

母は頻繁に新鮮な野菜を買い求め 綺麗に洗って野菜ジュースを作ってくれていた。野菜へ能書きを言葉に添えて飲ませることが母の自慢であり生き甲斐だったに違いない。息子は その時の事を思い出したのだろう。

母は、この老婆にジュースを飲むよう頻りに勧めた。老婆は、折角手をかけて作ったのだから、母に飲んでもらいたいという気持ちから拒否を続けた。
いま思えば、(美味しいね~、いつも有難う)といって飲んだ方が、母には嬉しかったのだろうか、と 当時、時間のゆとりがなかった老婆の対応を後悔する。

f:id:roba100:20201121214424j:plain