多忙な年越しを終えてやっと一息ついた。実家に家族が集まる新年は、老婆にとっては一大イベントなのだ。取り寄せる料理や飲み物が足りなくなるのが心配でつい余分に注文してしまう。食べきれずに賞味期限を逸して勿体ないことになる。毎年のように家族から「多すぎるよ」と、注意されて納得はするが同じ事を繰り返してしまう。
なんといってもお正月は嬉しい。皆の近況に一喜一憂したり、年頃の孫たちの初々しい仕草や会話を、眺めているだけで癒され笑顔になる。
新年を迎えてはや十日が経過しようとしている。緊急事態宣言に纏わるニュース一色であり、さらに日本海側の大雪による影響で困難が多発、暗いスタートとなっている。
今年は丑年。丑は十二支の2番目で、子年に蒔いた種が芽を出して成長する時期とされ、先を急がず目前のことを着実に進めることが将来の成功に繋がるということだそうなので、希望が持てる年なのだと、なんとか気持ちを慰めた。
冬晴れの空に、昇る朝日、今年初めて感慨深げに眺めた気がして深呼吸した。